watanabetakashi | 平成23年3月定例市議会 施政方針説明
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平成23年3月定例市議会 施政方針説明

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○ 平成23年市議会3月定例会の開催にあたりまして、平成23年度の市政運営の方針と当面する諸課題につきまして、ご報告かたがた所信の一端を申し上げ、議員各位並びに市民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

○ 今年になりまして、アラブ諸国におきまして、民主化を求めるいわゆる「民衆革命」が大きなうねりとなって拡大を続けています。チュニジア、エジプトの2カ国においては20数年、30年と長期にわたり強権支配を続けてきた政権が、失業や貧困、汚職等で苦しんできた市民、特に若者の反政権運動により相次いで倒れる事態となり、現在は民主化を求める民衆のデモはイエメン、バーレーン、イラン、リビヤなどへと燎原の火の如く瞬く間に広がっています。今後、中東地域がどのようになるのか、世界と我が国にどのような影響をもたらすのか、注視してまいりたいと存じます。

○ さて、この度のアラブ諸国における民主化運動において大きな力を発揮しているのが、インターネットです。ブログやツイッター、フェイスブック、ユーチューブを使った呼びかけによって、若者を中心に市民が結集するとともに、若者らはネットを活用し、世界に向けて発信し続けています。
 私は、本年1月4日の仕事始めの日の庁内放送で、昨年を振り返り、名古屋市や阿久根市の市長と議会の対立問題、ハーバード大学のサンデル教授の白熱授業、ウィキリークスによる各国政府の機密情報の漏洩や我が国の尖閣諸島中国漁船衝突事件のビデオ流出問題を取り上げ、次のように述べさせていただいております。
「今挙げた三つの事象は、まったく別個のものではありますが、私には相互に関連する、今後の社会や民主主義を考える上で非常に示唆に富んだもののように思われます。善し悪しは別として、それは一言で言えば、『情報化の進展が大きく人々の意識や行動様式を変え、さらには情報発信力を手にした人々の表現が大きなうねりとなって政治や社会を大きく変えつつある』ということです。その変化する方向は、あたかも国民が観客として政治を眺める『劇場型民主主義』であると、今のところでは思われますが、私はそこにとどまらず、国民一人一人が公共の担い手として議論の輪に参加し、公共的課題の解決を図る『自治型・討議型民主主義』に発展する可能性を持っていると考えています。ご案内のように、今年は4月に統一地方選挙が行われます。一昨年の国政における政権交代の熱狂は、すでに過去のものとなり、今日我が国を覆っているのは、政治に対する絶望にも似た不信感と、正常に機能しない民主主義に対する苛立ちであります。統一地方選挙は、民主主義の学校と言われる地方自治においてこそ、政治に対する信頼を取りもどし、民意を集約し、課題解決に向け適正に機能する質の高い民主主義を生み出すためのチャンスであると、私は考えております。今年一年、私は志を高くもち、『東村山から日本の民主主義を変える!』との気概をもって、『みんなで創るみんなの東村山』をさらに邁進してまいります。」
現在もその思いに変わりはありませんし、最近の中東情勢や我が国の政治動向を見るにつけ、更にその意を強くしているところであります。

○ 市議会におかれましても、今月13日に議会としては初めてとなる講演会を開催されました。「市民に開かれた議会へ~議会改革で自治体は変わる!?」をテーマとした法政大学の廣瀬克哉先生の講演は、民主政治における議会の役割の重要性と機能強化するための改革の必要性を改めて認識させるものでありました。二元代表制の一方の柱である議会のこうした画期的な取り組みは、私ども行政にとりましても大きな刺激となるものであります。今後もお互いの役割を果たしつつ切磋琢磨しながら、東村山市の民主政治の質を高めてまいりたいと存じます。

○ さて、速いもので平成19年5月に市長に就任し、4年が経とうといたしております。この間、世界経済はリーマンショックに端を発する同時不況に見舞われ、我が国の経済・雇用にも非常に深刻な影響をもたらしたところであります。現在、主要各国の経済は回復途上にあるものの、急速なグローバリゼーションの進展によって世界経済は一段とリスキーなものとなり、より不安定化しております。一方、国内では一昨年に歴史的な政権交代がなされましたが、国民の期待は僅かな間に急速に萎み、昨年の参議院選挙で再びいわゆる「ねじれ国会」となって国政は混迷の度を深め、累積する一方の財政赤字や高齢化・人口減少の進行と相まって、我が国の政治・経済・社会全般にわたって、先行きに対する不透明感・閉塞感がかつてなく高まった4年間でありました。

○ 世界が不安定化し、日本の先行きに不透明感・閉塞感が高まる中、私は市民の皆さまが生活する場である東村山を「安心と希望に満ちた元気なまち」にしていくことを目標に、「みんなで創る みんなの東村山」を基本姿勢とし1日1日を大切にしながら、日々前に向かって全力疾走で駆け続けるような思いで市政に取組んでまいりました。とりわけ平成19年の市長選挙において市民の皆さまにお約束したマニフェストの実現に向け渾身の努力をしてきたところであります。

○ 特に、国の三位一体改革の大きな影響を受けて深刻な財政危機に陥っていた東村山市の自治を、市民の皆さまと共に守り育てるために、まず「行政改革による財政の立て直し」と「市民と共につくる市民本位の市政の実現」に不退転の決意で取り組んでまいりました。合わせて確かな未来を切り拓くため「安全と安心のまちづくり」「活力と魅力あるまちづくり」を全力で推進してまいりました。

○ 「行政改革による財政の立て直し」につきましては、平成20年度に職員給与の平均6.7パーセントの削減となる給与構造改革を断行するとともに、3カ年で職員95名の削減、事業点検による事務事業の見直しなど、様々な改革をこの4年間で推進してまいりました。その結果、財政状況はまずフローの面では退職手当債を活用しながらも、それまで4年連続赤字でありました実質単年度収支を市長就任2年目の20年度には黒字に転換し、翌21年度も大幅な黒字を達成することができました。またストックの面でも、一時は4億円まで目減りをした財政調整基金を本年度末には21億円を超えるまでに回復させ、市債残高も3カ年で土地開発公社を合わせた総額では44億4千万円削減したところであります。

○ この3年間の財政調整基金の伸び率では、多摩26市中 1番の伸びであり、また財政構造の弾力性を判断する指標である経常収支比率でも、昨年度決算で91.1パーセントと依然高めではありますが、3年間の改善度では、マイナス2.9パーセントと多摩26市で1番であります。さらには21年度の将来負担比率は前年度に比べマイナス27.9パーセントと改善度では多摩26市中3番目を示す等、客観的な数値指標においても目に見える形で財政再建が果たされてきております。今後も安定的かつ持続可能な行財政構造を造り上げるために、引き続き行財政改革に邁進してまいります。

○ 「市民と共につくる市民本位の市政の実現」につきましては、まず市民との「対話の政治」を基本に開かれた市政を目指し、この間市民満足度の向上、市民参加・市民協働の推進に取り組んできたところであります。まず市長に就任した19年の10月から市内13町において「市民と市長の対話集会」タウンミーティングを毎月開催し、先月で40回を迎え、延べ1,551人の市民の方々と市政や地域の課題について語り合ってまいりました。また、20年度から21年度にかけまして第4次総合計画や東村山駅周辺まちづくり基本構想の策定において公募型市民参加によりますワークショップを開催し、本年度につきましては無作為抽出型の市民参加方式による市民討議会を当市で初めて開催し、できるだけ市政に市民の皆さまが参加・参画いただけるよう努めてまいりました。合わせて、経営会議や付属機関等、重要な政策が形成される会議につきまして会議録を作成・公表し、議会につきましても議員各位のご理解とご賛同を得てインターネット中継を昨年12月議会より開始するなど積極的に市政情報の公開・提供に努めてきたところであります。また、窓口における市民満足度の向上を図る一助として接遇アンケートを定期実施するとともに、市民協働課の設置、自治会フォーラムの開催などを行なって、市民の皆さまとの協働の推進を図ったところであります。数値として示すことはできませんが、市民の皆さまの市政に対する信頼度・満足度、また「自分たちのまちは自分たちでつくっていこう」という参加意識も少しずつ高まりはじめているのではと感じております。今後も市民参加・市民協働を進めるとともに、さらに市民満足度の高い市政を目指してまいります。

○ 「安全と安心のまちづくり」につきましては、小中学校の耐震化、乳幼児医療助成制度における所得制限の撤廃、本年4月開園予定の認可保育園、認証保育所の建設、認定子ども園の開設、第2児童クラブの新設、一時預かり事業の実施、私立幼稚園入園料補助制度の創設、障害者就労支援室の設置、地域密着型サービス施設及び認知症グループホームの設置、CO2排出量の3パーセント削減となるごみ焼却施設の延命化など、子どもたちや高齢者、障害者が安心して暮らせる環境や、地球環境に優しい秋水園の整備に努めてまいりました。特に子どもたちの安全を守る小中学校の校舎と体育館の耐震化につきましては、耐震化率が市長就任時の44.2パーセントから今年度末には71.6パーセントになるなど、大きく進展しています。今後も「市民の命が最優先」を理念として「安全と安心のまちづくり」を推進してまいります。

○ 「活力と魅力あるまちづくり」につきましては、ハード面では細渕市政から引き継ぎました東村山駅西口について21年9月に、久米川駅北口につきましては22年4月に駅前広場をオープンすることができ、更には21年4月に新規着工準備箇所として採択された西武新宿線東村山駅周辺の鉄道連続立体交差化事業も22年11月には都市計画素案が策定され市民説明会が開催されるなど、大幅に進捗が図られております。それとともに、淵の森対岸緑地(通称、八郎山)の公有地化、北山公園の拡張整備など貴重な緑を守る取り組みも進めてまいりました。また、ソフト面ではグリーンバス2路線の増設、観光係の設置と産業・観光案内コーナーの開設、商工会のドリームスタンプ事業への助成、認定農業者への助成制度の創設など、当市の自然や歴史文化などの地域資源を活用した観光振興を図ると共に、市内の農業、商工業の活性化を推進してきたところです。今後も豊かな緑と都市機能の調和を図りながら、ハード、ソフト両面での「活力と魅力あるまちづくり」を進め、「住んでよし、訪れてよし」の元気な東村山を築いてまいります。

○ 勿論4年間何ら問題がなかったわけではありません。19年度には職員による公金横領事件が発覚し、市政に対する市民の信頼を失墜する事態となりました。また、退職手当債の発行は、私としましては危機的な財政状況の中で大量退職を迎える当市としてはやむを得ない措置と考えておりますものの、何とか回避できなかったのか、とのご批判もあることも事実であります。改めて、この二つの問題につきましては、議員各位ならびに市民の皆さまにお詫び申し上げますとともに、不祥事につきましては再発防止に、また退職手当債の  問題につきましては24年度を最後として発行を終了し、  26・27年度の第二次大量退職のピーク時には退職手当債に頼らずとも支払いができるよう今から計画的な積み立てに、全力で取組んでいくことを改めてお約束申し上げます。

○ それ以外若干の事業の遅延もございますが、「改革!未来に向けたまちづくり」を掲げた私のマニフェストにつきましては、全体では7割程度を達成し、順調にとまでは申し上げられませんが市民の皆さまとのお約束は概ね実現することができたものと考えております。この間ご理解とご協力を頂きました議員各位ならびに市民の皆さま、職員や関係各機関の皆さんに改めて感謝申し上げます。任期も残すところ後僅かになりましたが、今後も「安心と希望に満ちた元気なまち東村山」を目指し、市民の皆さまの目に見える具体的な成果を出すよう、更に邁進していきたいと考えております。

○ それでは、平成23年度の市政運営の方針と当面する諸課題について申し上げます。

○ はじめに、市民参加・協働のしくみづくりのひとつとして取り組んでまいりました「(仮称)自治基本条例」の検討について申し上げます。
昨年の市議会6月定例会の所信表明において、私は「本年度を、『協働元年』、東村山市の自治のあり方を市民・議会とともに見直す年」ということを申し上げ、6月23日に「東村山市自治基本条例市民参画推進審議会」に対し、「東村山市における自治基本条例策定の必要性について」として、当市にとって条例の制定が必要かどうか諮問させていただきました。去る、2月15日には本年度最後となる第7回目の審議会が開催され、これまでの数々のご議論を踏まえ、答申の内容についてご審議いただきました。その結果、「自治基本条例を策定する必要がある」との判断で集約されたところであり、本定例会会期中には「答申」をいただけるものと考えております。
この間、数々の議論を積み重ねていただいてまいりましたが、ことに昨年12月12日には、この議論の要素とするため、当市で初めてとなる「市民討議会」を開催いたしました。無作為抽出によって選ばれた16歳から99歳までの91名の市民の皆さまが、その日に初めて顔を合わせたにもかかわらず、「東村山の自治を考える」というテーマで、市政や地域との関わりについて、ご自身の意見を述べ、他者の意見を聞き、お互い議論し、そしてグループとしての意見をまとめ発表する姿を目の当たりして、「新しい公共」の空間が生成される、まさにその瞬間に立ち会ったような熱い感動を覚えました。私たち行政も、こうした市民の皆さまの力をきちんと受け止め、生かしていくだけの力量を持たなければ、このまちは良くならないと確信した次第であります。
同時に、この市民討議会を通じ、私たち行政の「情報発信力」の低さも痛感し、反省することとなりました。行政が発する情報が、市民の皆さまにはあまり届いていないことにショックを受け、私を含め、市役所はもっと発信力を高めなければならないと強く感じたところであります。
様々な情報が溢れる情報化時代だからこそ、私たちは多くの市民の皆さまに情報を正しく、かつ迅速に伝えるとともに、ニーズやご意見を的確に受信し、それらを政策の「どこに」「どのように」反映したかを、「見える化」することが求められています。市報やホームページに掲載すればそれで終わりではなく、「情報は伝わってこそ、意味を成すもの」であります。私たちは、原点に立ち返り、どうすれば1人でも多くの方々が市報を手に取って目を通していただけるのか、ホームページにアクセスしていただけるのか、自分たちが手がけたイベントやまちづくり活動にご参加いただけるのかを考えた上で、東村山市の「思い」を込めた情報発信、「思い」が伝わる情報発信に、ぜひ力を入れてまいります。
このことから、本年を「協働元年」に加え、「発信力向上元年」とし、発信力の向上が、東村山市における「自治型・討議型民主主義」の地平を拓く第一歩となるよう、「みんなで創る みんなの東村山」をさらに邁進してまいります。

○ 次に、総合計画の取り組みについて申し上げます。
ご案内のとおり、平成23年度は、多くの市民の皆さまからいだいた数多くの貴重なご意見を積み上げ策定された第4次総合計画が新たにスタートする重要な年であると認識しております。
「人と人 人とみどりが響きあい 笑顔あふれる 東村山」の実現に向け、市民の皆さまのご意見を最大限尊重して、掲げられた重点的・優先的に推進する事業群であるスマイルプロジェクトやまちづくりの基本姿勢を重視し、実施計画の策定に取り組んできたところであります。
実施計画につきましては、近年、社会経済の変化が速まっていることに加え、国の動向が非常に不透明化しており、  中期的な見通しを立てることが難しいことから、これまでの 3年ごとのローリングを毎年度ローリングとするとともに、財政的裏付けを担保しつつ財政の健全化を図るため、財政フレームを明示し、実施計画に充当できる一般財源の額を算出し、その額を上限として事業を厳選することといたしました。
今回の実施計画(平成23年度~25年度)の策定にあたっては、昨年10月に開催された予算編成会議に合わせ、  3カ年の財政フレームを作成し、計画へ自由に充当できる一般財源(計画自由財源)を算出しました。その後、23年度予算編成の過程で、経常経費を中心とした基礎的財政フレームから計画自由財源に組替えたものなどがあり、結果として、23年度については6億9千5百万円、24年度 7億8千9百万円、25年度 8億2千9百万円を計画自由財源としたところであります。
なお、現在、23年度予算(案)が確定したことから、改めて予算に合わせ財政フレームを作成しており、数値が確定し次第、完成版をご配布してまいります。
計画事業といたしましては、「人と人が響きあうためのプロジェクト」といたしまして、いのちとこころの人権の森構想の推進や観光振興プランの策定などを、「人とみどりが響きあうためのプロジェクト」といたしまして、住宅用太陽光発電システム設置工事費補助や北山公園用地取得、そして、3・4・27号線をはじめとする都市計画道路の整備などを、「笑顔あふれるためのプロジェクト」といたしまして、乳児家庭全戸訪問、いわゆる、こんにちは赤ちゃん事業の実施や認可保育所の整備、小中学校の耐震化工事の推進などを計画事業として位置づけたところであります。3ヵ年では、新規事業65件、レベルアップ事業20件、継続事業37件、合計で122件、総事業費約108億4千5百万円であります。
さらに、第4次総合計画の特徴の一つとして、「まちづくりの基本姿勢」を掲げておりますが、「人と人が支え合う協働のまちづくり」の取り組みとして、市民協働の促進など「みんなで創る、みんなの東村山」の実現を目指してまいります。
また、「市民の命を最優先にしたまちづくり」の取り組みとして、子宮頚がん予防ワクチン、インフルエンザ菌b型予防ワクチン、いわゆるヒブワクチン、そして小児及び高齢者肺炎球菌ワクチンの接種など、かけがえのない命をいつまでも大切にしていくことを最優先にしたまちづくりを進めてまいります。
最後に「経営の視点に立ったまちづくり」につきましては、計画期間における歳入・歳出の推計及び行財政改革の効果額を加味しながら計画財源を見極めた中で事業選択を行い、市民の皆さまが必要としている事業に経営資源を集中的に投入し、市民満足度を高めることを主眼におき、だれもが東村山に住むことに誇りを持ち、「住んでよかった、これからもずっと住み続けたい」と思えるまちづくりを推し進めていく所存であります。

○ 次に、行財政改革大綱の取り組みについて申し上げます。
第4次行財政改革大綱は、平成23年度から10年間の大綱部分と、5年間の前期基本方針、そして3年間の第1次実行プログラムで構成されております。
これまで第1次から第3次までの行財政改革の取り組みにおいて、給与構造改革、指定管理者制度をはじめとする民間活力の導入、事業点検の実施、また職員数の低減による業務効率の向上など、大きな成果を上げてまいりました。
しかし、今後10年間の行政を取り巻く環境を見据えると、社会経済状況の変化のスピードが益々速まる中、持続可能な自治を築いていくためには財政基盤をより強固なものにし、また市民参加と協働の仕組みを更に発展させ、市民満足度の向上を図るべく自治体経営の質を高めていかなければならないと考え、財政状況についての認識の共有や市民による事業評価の実施、アウトソーシング業務の選定と適切な管理運営、市税等収納率の向上などを実行プログラムに位置付けたところであります。
第1次実行プログラムには、具体的取り組みとして87項目を掲げ、数値等できるだけ客観性のある到達目標を示し、成果を測定、検証することといたしました。特に財政健全化について、フローでは実質的財政収支の黒字基調の維持、経常収支比率90パーセント以下、公債費比率10パーセント以下、ストックでは財政調整基金残高の標準財政規模に対する割合10パーセント、臨時財政対策債、減収補てん債等を除いて下水道債を加えた地方債残高22年度比40億円減などの目標を掲げたところであります。
こうした行財政改革の取り組みと、将来都市像を実現するための取り組みである総合計画とを車の両輪とする、新たな自治体経営を推し進めてまいる所存であります。

〇 次に、職員定数の適正化について申し上げます。
これまで市では、新たな行政課題や社会情勢の変化に対応しつつ、3次にわたる行財政改革を進め、現員数では、平成9年4月に1046名でありましたが、平成22年4月には817名(▲229名)まで職員数の適正化に取り組んでまいりました。
団塊世代の職員の定年退職が平成22年度43名、平成 23年度46名と、ピークを迎えており、今後5年間で見ても180名近い職員が定年退職を迎え、このうち実に50名近くが管理職であります。
経験を積んだ多くの職員が一時期に退職することは、組織としての継続性や経験値が不足することなどにも繋がり、市民サービスの低下の影響も考えられるなど、当市にとって大変大きな課題と捉えております。
このため、退職時の十分な引き継ぎを指示するとともに、経験をもった定年退職者を引き続き活用する観点から、新たに、再任用フルタイムの制度を活用し、管理職を中心に数名の職員に現職の勤務の継続をお願いしたいと考えております。
併せて今後も、事務改善や効率化などの取り組みを進めるとともに、公民の役割分担を明確にしながら、民間委託や指定管理者制度の導入拡大など、業務執行体制の改革を進め、より効率的な職員配置に努めてまいる所存であります。
平成23年度につきましては、社会情勢の変化に対応し、市民サービスの質を維持向上できるよう、計画的な新規職員の採用や、フルタイム勤務を含めた再任用職員の活用、そして嘱託職員、臨時職員、民間活力を合わせたトータルとしてのマンパワーを考慮しつつ、職員1人当たりの市民数を普通会計ベースで概ね200名程度を目途に、キャリアアップを目指した人材育成を図りながら、少数精鋭化を徹底してまいりたいと考えております。

○ 次に、平成23年度予算編成について各会計の概要について申し上げます。
平成23年度予算は、低迷を続ける厳しい景気情勢に加え、新政権による国等の政策動向の見通しが難しい中ではありますが、第4次総合計画、第4次行財政改革大綱の初年度でもあることから、当市のまちづくり、行財政運営にとって新たなスタートとなる大変重要な予算と位置づけております。
このため、将来都市像「人と人 人とみどりが響きあい 笑顔あふれる 東村山」を実現するため、新たに様々な取り組みを行うべく、予算編成方針を「新たな総合計画のもと、生活充実都市として確かな一歩を踏み出すために、行財政改革を推進し、将来に向けた持続可能で安定した行財政運営を目指す予算」とし、予算編成を行ってきたところであります。
また、これらの取り組みを将来に渡って、安定的、継続的に行っていくためには、財源の確保は不可欠なものであり、私としましても、持続可能で安定した、足腰の強い財政基盤を構築すべく、新たな行財政改革大綱に基づく行財政改革の取り組みを全力で推進してまいりたいと考えているところであります。

○ はじめに、一般会計予算の概要について申し上げます。
一般会計の予算規模は、484億7千948万1千円で、前年度対比5.3パーセント、24億2千677万8千円の増となっております。
まず、本予算の特徴的なことを何点か申し上げます。第1に、予算規模が5.3パーセントの増となっております。  これは、第4次行財政改革大綱の初年度として、職員定数の適性化などの行財政改革の取り組みによる一般財源の圧縮に努めた一方で、子ども手当など国の政策の影響などにより規模が増大していることなどによるものであります。
第2に、先にも述べましたとおり、第4次総合計画の初年度であることから、新たな実施計画に基づき、子育て支援策や環境問題への取り組みなどをはじめ、生活充実都市を実現するための様々な新規事業の予算化に努めてきたことであります。
第3に、多くの市内公共施設が老朽化している状況に鑑み、これらの補完工事や維持補修等の経費について、可能な限り予算配分を充実させたことであります。
第4に、特別会計の繰出金について、自助努力による節減を求めつつも、国民健康保険事業特別会計や下水道事業特別会計を中心として、一定の額を確保せざるを得なかったことであります。
第5に、平成22年度に引き続き、団塊世代の職員の定年退職が最大のピークを迎えていることから、この大量退職に伴う退職金等が、著しく予算を圧迫することのないよう、負担の均衡を図ることを目的に、退職手当債の発行を見込まざるを得なかったことであります。
第6に、職員の給与適正化や定数適正化、事業の適正化などの行財政改革の取り組みや、只今申し上げた退職手当債の発行などの財源確保の努力の結果、財政調整基金の取り崩しをすることなく、予算編成を完了することができたところであります。

○ 続いて、歳入について申し上げます。
歳入の根幹となります市税収入は、201億1千820万5千円で、前年度比0.5パーセント、1億485万5千円の増収を見込んでおります。厳しい社会経済状況のもと、個人市民税などの減収が見込まれるとともに、徴収環境についても懸念されるところでありますが、本年2月より稼動の自動電話催告システムをはじめ、インターネット公売や差押物件の換価、執行停止処分の積極的推進など、昨年1月に策定しました市税収納率向上基本方針に基づき、影響を最小限に止め、着実に成果を挙げてまいりたいと考えております。
地方交付税は、地方財政計画において、出口ベースでは、前年度比2.8パーセント、4千799億円増の17兆3千734億円となっており、これらの影響や平成22年度の交付額、配分割合なども考慮しながら、普通交付税につきましては、前年度対比29.4パーセント、8億2千400万円増の36億3千100万円、特別交付税を前年度比16.7パーセント減の1億1千250万円と見込み、地方交付税総額では前年度比27.2パーセント増の37億4千350万円を計上しております。
繰入金は、財源対策としての活用を図りつつも、極力、  額の抑制に努め、公共施設整備基金、アメニティ基金など総額で4億645万1千円にとどめ、財政調整基金からの繰入れは行っておりません。
市債のうち、普通債は平成22年度からの継続事業であるごみ焼却施設延命化事業や、都市計画道路3・4・27号線整備事業、小中学校耐震補強事業、小中学校空調設備設置事業などを見込ませていただいております。また、特例債につきましては、臨時財政対策債が、地方財政計画において、前年度比20.1パーセントの大幅減となることを考慮した中で、  22億7千400万円と見込んだほか、職員退職手当債を 6億9千500万円と見込み、市債総額では前年度比9.6パーセント、1億4千110万円増の46億5千920万円の計上となっております。
一方、歳出でありますが、第4次総合計画における実施計画事業を中心に、限られた財源を重点的・効率的に配分したところであります。
実施計画事業につきましては、投資的事業では、ごみ焼却施設延命化事業、都市計画道路3・4・27号線整備事業、みちづくり・まちづくりパートナー事業、北山公園整備事業、小中学校耐震補強事業、小中学校空調設備設置事業等を予算化しました。その他の実施計画事業につきましては、認可外保育室等の保護者に対する負担軽減のための補助金、乳児家庭全戸訪問いわゆるこんにちは赤ちゃん事業、ヒブ・小児肺炎球菌・子宮頸がん・高齢者肺炎球菌などのワクチン接種経費、住宅用省エネルギー設備設置のための補助金、観光振興プラン策定事業、景気対策としての市内共通スタンプ事業等を予算化したところであります。
また、実施計画事業以外の特徴的な経費としましては、市民による事業評価のための経費や、子ども手当事業の拡充分、東京都知事選挙に関する経費、市議市長選挙などに係る経費などを予算化しております。
なお、行財政改革によるアウトソーシング業務の選定と適切な管理運営として、小学校給食調理業務の民間委託を更に2校追加するための経費を計上しております。

○ 続いて、特別会計予算の概要について申し上げます。

○ はじめに、国民健康保険事業特別会計でありますが、予算規模は総額164億1千78万9千円で、前年度対比11億1千600万2千円、7.3パーセントの増となっております。これは、医療費の経年増によるものであります。
歳入では、国保税をはじめ、国都の補助金等、歳出では、保険給付費、後期高齢者医療支援金、介護納付金のほか、特定健診・特定保健指導にかかわる費用を盛り込んだものであります。

○ 続いて、老人保健医療特別会計につきましては、精算行為が中心であることから、平成22年度をもって廃止し、平成23年度から一般会計にその費用を計上するものであります。

○ 続いて、後期高齢者医療特別会計の予算規模は総額26億326万9千円で、前年度対比1億4千872万6千円、  6.1パーセントの増となっております。歳入のうち保険料分は、11億4千634万3千円であります。

○ 続いて、介護保険事業特別会計は、平成23年度は第4期介護保険事業計画3年間の最終年度となりますが、保険給付費79億6千452万円に地域支援事業費2億347万8千円及び総務費等を加えた総額84億4千68万2千円の予算規模を予定しています。前年度に対して、3億3千876万  9千円、4.2パーセントの増となっております。

○ 続いて、下水道事業特別会計の予算は、汚水事業では都道拡幅に伴う管渠敷設替工事を3本、雨水事業では雨水貯留・浸透施設設置助成の枠を拡大しております。また、元金償還金が4千654万1千円の増、利子償還金が6千57万8千円の減となり、予算規模といたしましては、43億6千184万2千円で、前年度より5千296万円、1.20パーセントの減となっております。

以上、平成23年度予算の概要につきまして申し上げてまいりまいたが、詳細につきましては提案説明の際に改めてご説明申し上げます。

○ 次に、子育て施策について何点かご報告申し上げます。
○ はじめに、平成23年度の子ども手当について申し上げます。
ご案内のように、今後、通常国会におきまして「平成23年度における子ども手当の支給等に関する法律案」が審議される予定であります。
現時点での情報によれば、第1に、3歳未満の子ども一人につき月額2万円に、第2に、支給対象となる子どもは、留学中の場合を除き、国内に居住していることを要件とする、第3に、さらに地方がこれまで強く要請してきた、保育料等の未納問題に対処するための法律上の措置を講じる、という点が、大きな変更点となります。
平成23年度以降の子ども手当の制度設計に当たっては、全国市長会をはじめとして、地方の意見を十分踏まえ対応するよう、再三にわたり政府に要請してきたところであります。しかしながら、誠に遺憾なことに、政府は、平成23年度の子ども手当につきましても、前年度と同様に、地方負担を求めてきております。
いずれにいたしましても、未だ国会審議中であることから、全貌が分かり次第適切な対応を講じてまいりたいと考えております。

○ 続いて、乳児家庭全戸訪問、いわゆる「こんにちは赤ちゃん」
事業について申し上げます。
昨今、児童虐待が大きな社会問題となっております。特に乳児の虐待につきましては、育児不安や出産に伴う心身の不安定などにより、母親の孤立化が進み、乳児の虐待につながる事例もみられております。当市におきましては、これまで母子保健法に基づき、第1子や多胎児・未熟児等への対応として、生後28日から60日までを目安に対象家庭を訪問し、母子への支援に努めてまいりました。
本年度10月からは、生後4か月までの新生児・乳児が  いる全家庭を助産師や保健師が訪問し、適切なアドバイスや子育て情報の提供を通じて、母親の子育て不安や孤立化を防ぎ、養育力をはぐくむ環境支援の強化として、「こんにちは赤ちゃん」事業を立ち上げたいと考えております。
また、より支援が必要な家庭には、地域の子育て支援に民生児童委員の方々のお力もお借りし、情報の共有と支援体制を充実させたいと考えております。

○ 続いて、公立保育園の民営化について申し上げます。
第二保育園の民間移管に関しましては、昨年、移管時期の 延期を表明させていただき、その後の国の制度改革等の動向も踏まえ、現在、より慎重な検討を続けているところであります。
同時に、指定管理者制度を導入している第八保育園につきましても、指定期間が平成26年3月末にて満了することに伴い、その後の管理・運営のあり方についても、保護者の皆さまのご意向も十分に考慮し、民間移管も視野に入れた具体的な検討を行ってまいりたいと考えております。
これに先立ち、本年1月には在園保護者に対する意向調査を実施させていただいたところであります。
今後は、様々な子育て支援施策と相互に連携しながら、  当市の実情に即した総合的かつ効果的な待機児解消策を推進してまいります。

○ 続いて、保育園の新設について申し上げます。
まず、本町都営住宅北ブロックに、高齢者福祉施設と併設される民設民営の認可保育園がまもなく完成し、平成23年4月から開所予定との報告を受けております。
この、認可保育園は、「ほんちょう保育園」と名称が決まり、定員は100名規模となっております。
また、市内青葉町の軽費老人ホーム「むさしの園」跡地に予定される保育園につきましても、昨年12月に都が運営事業者を決定し、現在開設に向けた具体的な手続きが進められているところであります。さらに、国立多磨全生園内の民設民営保育園につきましても、その整備計画が動き始めており、国による事業者の公募も実施されたとの報告を受けております。

○ 続いて、予防接種事業について申し上げます。
当市における予防接種事業は、これまで、子宮頸がん・ヒブ・小児肺炎球菌への各ワクチン接種につきまして、任意接種として全額自己負担にて接種していただいておりました。
この度、国の公的補助要件が決定したことから、これら  3ワクチンの接種費用につきましては、1割負担を原則とし、市内指定医療機関での任意接種を受けることができるよう対応してまいりたいと考えております。
対象年齢につきましては、接種効果が認められる年齢として、子宮頸がんワクチンの接種では中学1年生から高校1年生まで、ヒブ並びに小児肺炎球菌ワクチンにつきましては、0歳から4歳までのお子さんを対象としております。任意のワクチン接種であり、若干の費用負担が発生いたしますがご理解をいただきたいと存じます。

○ 次に、高齢者施策について申し上げます。
先ほど申し上げました保育園と併設される、本町都営住宅北ブロックの高齢者福祉施設につきましては、「ほんちょうケアセンター」の名称で、こちらも平成23年4月開設の予定となっております。定員30名規模の介護保険制度におけるデイサービス事業を中心とした事業実施を予定しております。
また、一人暮らしの方や認知症の方をはじめ、高齢者が住み慣れた地域で、安心して暮らしていけるよう、市では介護保険事業計画に基づき、多様で柔軟なサービス提供が可能である「地域密着型サービス」の「小規模多機能型居宅介護事業所」と「認知症対応型共同生活介護事業所」整備を進めているところであります。
平成23年度は、先に開所した中部圏域に続き、新たに西部圏域での開所を予定しております。さらに、平成23年度中には新たに事業者公募の実施も予定しており、今後も事業所の整備を推進し、高齢化に対応してまいります。

○ 次に、環境・建設行政について何点か申し上げます。
○ はじめに、ごみ焼却施設延命化事業について申し上げます。
昨年9月定例会におきまして、循環型社会形成推進交付金の交付決定を踏まえ、22年度からの2カ年にわたる工事請負契約の議決を賜りました。
平成22年度中は、主に1号炉の改修工事が主体となりますが、全炉停止になります2月の11日間は、広域支援の実施要綱に基づき、620トンの処理を柳泉園組合にお願いしたところであります。
平成23年度は、2号炉と耐震化工事が中心となりますが、 引き続き円滑で安全な工事の徹底を図り、ごみ焼却施設の10年間の延命化に向けて尽力してまいりたいと考えています。

○ 続いて、東村山駅周辺のまちづくりについて申し上げます。
当事業につきましては、平成22年度に大きな進展を見ることができました。
具体的には、多くの市民の方の参加をいただき、「東村山駅周辺まちづくり基本構想」を策定し、更に、「踏切の除却」や「新たな鉄道沿いの道路」について、都市計画素案として考え方がまとまり、説明会を開催いたしました。この説明会では、環境への影響や今後の進め方など、説明内容を踏まえてのご意見をいただけたことから、都市計画素案の内容は概ねご理解いただけたのではないかと考えております。
また、鉄道連続立体交差事業につきましては、都市計画手続と平行して、東京都環境影響評価条例に定める手続が開始され、東京都は今年に入りまして、環境影響評価調査計画書の縦覧を行い、都民の方からの意見書の受け付けを行ったと伺っております。市といたしましても、環境審議会及び文化財保護審議会でいただいたご意見を参考に、「安全・安心を基に環境保全措置を十分に取ること」などを求めた意見書を提出したところであります。
今後、これら関係諸手続が進む中、鉄道高架を前提に、まちの一体化に資する道路交通ネットワークなど、東村山駅周辺の整備の方向性について、市民の皆さまのご意見を踏まえ検討を進め、安全で快適なまちづくりを一層進めてまいりたいと考えております。

○ 続いて、駅エレベーター等設置によるバリアフリー化事業について申し上げます。
現在工事中の、武蔵大和駅バリアフリー化事業でありますが、事業費の自治体負担分につきまして、当駅が東大和市との境に位置しており、東大和市の住民の方も多く利用していることから、自治体負担分の2分の1を東大和市で負担していただく事で合意が図られたことはご案内のとおりであります。
現在、鉄道事業者により、3月19日の供用開始に向け鋭意工事が進められている状況と伺っております。
また、ご要望の多い久米川駅構内バリアフリー化につきましても、第4次総合計画の平成25年度までの実施計画において方向性を明確にし、市といたしまして鉄道事業者に強く要望を伝えるとともに、国に対しても補助金の優先順位を高めていただき、早期整備が図れるよう要請活動を行ってまいりたいと考えております。

○ 続いて、コミュニティバス事業について申し上げます。
コミュニティバス事業につきましては、様々な課題を抱えておりますことから、昨年8月に、今後の公共交通のあり方や 方向性を出すために、学識経験者、バス事業者、公募市民の方、交通管理者等で構成する「東村山市公共交通を考える会」を設置し、それぞれの立場からご意見を伺ってまいりました。
主なご意見は、「市内には、まだ多くの交通の不便地域があり改善してほしい」、あるいは、「高低差や道路事情など、地域特性を考慮してほしい」、「路線バスがあったが廃止になって いる」、「極端に運行本数が少ない」、「行政と地域が連携して進め、それぞれの役割を明確にする」などであり、全体としては、公共交通の一層の拡充を望むという内容でありました。
今後、これらのご意見を踏まえ、公共交通ネットワークを充実させるためにはどうすればよいのか、どうしたら不便地域の皆さまの利便性の向上が図れるのか、市の財政的体力も含め様々な視点から整理し、市としての方針・見解を検討しているところであります。基本的な考え方としては、市が独自で進めるのではなく、それぞれの地域の皆さまと協働で取り組み、地域に合った持続可能な交通手段の確保を目指してまいりたいと考えております。

○ 次に、教育行政について何点かご報告申し上げます。
○ まず、普通教室のエアコン設置について申し上げます。
昨年の夏季においては、記録的猛暑が続き市内小・中学校の教室の室温が40度を超える日も出るなど、児童・生徒の健康や学習への影響が懸念され、これまでにない学校施設における暑さ対策が求められてきております。
この間、市議会では、各会派から冷房化を望むご意見・ご質問をいただき、また、同様に市内関係団体からも、多くの署名を集めた要望書をいただく一方、市長会を通じ東京都に対しても、「公立小中学校空調機器整備に対する支援について」要望書を提出したところであります。
ご案内のとおり、東京都では、平成23年度予算において、緊急特別措置として、国制度に加えた財政支援をする空調機器設置促進化の方針が打ち出されたところであります。
現在、学校施設においては、施設の老朽化や設備の改修など、様々な課題を抱えている中、学校施設の耐震化事業を最重要課題で取り組んでおります。一方、学校施設の暑さ対策につきましても、児童・生徒の学力の向上や健康に大きく関わることでありますことから、良好な教育環境の確保のため、平成23年度から市内小・中学校全22校の普通教室に、順次エアコンを設置してまいりたいと考えております。
エアコン設置に際し、耐震化工事との兼ね合いを考慮していかなければなりませんが、平成23年度において、各学校の設備状況を踏まえ、効率化が図れる方式や機種選定等の 実施設計を全校対象に行い、耐震化が完了した学校から設置してまいりたいと考えております。
議員各位におかれましては、この間の冷房化へ向けた関係機関への働きかけや取り組みに感謝申し上げるとともに、当市のエアコン設置に対するご理解、ご協力を賜りたいと存じます。

○ 続いて、新学習指導要領について申し上げます。
平成20年3月に告示された学習指導要領が、平成23年4月より小学校において全面実施され、新たな教育課程に 沿った教育がスタートいたします。
学校においては、「生きる力」を育む教育を推進する中で、「基礎的な知識や技能を習得し、それらを活用して、自ら考え、判断し、表現することにより、様々な問題に積極的に対応し、解決する力」や「自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性」、さらには「たくましく生きるための健康や体力」などの向上を図ってまいりました。今後も、この趣旨を堅持しながら、新しい学習指導要領が示す各教科や道徳、特別活動、総合的な学習の時間等を通して、一人一人の子どもたちに基礎・基本を確実に身に付けさせる教育を目指し、さらなる指導の充実を図ってまいります。
特に、新たに外国語活動が導入される小学校では、学習指導要領実施の移行期間にあたる今年度も、各学校において取り組んでいるところであり、今後も外国語活動のねらいであるコミュニケーション能力の素地を養うための取り組みに努めてまいります。
また、社会の変化に伴い、現在、子どもたちの社会性の欠如や規範意識の低下等が指摘され、「心の教育」の充実も求められております。今後とも、「いのちとこころの教育」の推進による人権教育及び道徳教育のさらなる充実を図り、自然体験やボランティア活動等の社会体験の機会も積極的に取り入れながら、子どもたちの心をはぐくむ教育にも力を入れてまいります。
子どもたちは21世紀を担う大切な財産であり、心身ともにたくましい子どもたちの育成を目指し学校教育の充実に 邁進してまいります。

○ 最後に、行政各分野計画の見直し、策定状況について申し上げます。
○ まず、第2次農業振興計画の策定について申し上げます。
地域の皆さまに安全で安心な農産物の提供や緑地空間の提供等、多面的機能を有する農地の保全、都市農業の振興保全に向けて、第1次農業振興計画を推進してまいりましたが、この10年で農業者の高齢化や後継者不足、農地の減少、消費者ニーズの多様化等、都市農業をとりまく環境は一段と厳しさを増しております。
こうした中で、平成23年度から10年後を見据えた農業振興計画の策定に向けて、農業者及び市民の意識調査を実施するとともに市民と農業者との交流会を開催するなど、多くのご意見を伺いながら策定作業を進めております。
第2次農業振興計画では、都市近郊の優位性を活かした収益性の向上、環境の負荷軽減など都市にマッチした農業経営や認定農業者への支援、地域農産物の生産性、品質の向上、ブランド化等、農業経営環境の整備と農業経営者の意欲増進が図れるよう取り組んでまいる所存であります。

○ 続いて、東村山市地域防災計画の見直しについて申し上げます。
今後30年以内に首都圏に大地震が発生する確率は70パーセントと言われております。
現在の地域防災計画は平成17年に改訂されておりますが、その後、平成18年には東京都で「首都直下型地震による東京の被害想定」の報告書がまとめられ、19年の東京都地域防災計画の修正により、新たに減災目標が定められております。
今回の地域防災計画の修正にあたっては、関東大震災クラスの激甚災害に伴う被害想定や減災目標を新たな項目として設け、現実的で実効性のある計画の策定を目指してまいります。また、近年、ゲリラ豪雨による都市型水害が多発し、気象警報の発令基準の見直し等もあって、風水害に関する修正も必要であると考えております。
地域防災計画は、災害対策基本法に基づき、東村山市防災会議で策定することとなっておりますが、今後、作業部会として関係各機関よりご参加いただく「地域防災計画策定委員会」を立ち上げ、本年6月頃までに素案をまとめ、パブリックコメント、東京都との協議などを経て、23年度中に策定してまいりたいと考えております。

○ 続いて、第4次地域福祉計画の策定について申し上げます。
当市は、平成18年度からを計画年度とする第3次地域福祉計画に基づき、地域福祉の推進に努めてまいりました。
この間、地域福祉を取り巻く状況は「介護保険制度の改正」「障害者自立支援法の本格施行」など大きく変化し、また、地域社会においても、かつて当たり前に共有していた人と人とのつながりや絆が薄れる無縁社会への危惧も高まっているところであります。
様々な課題の中、第4次となる次期地域福祉計画は、第4次総合計画における将来都市像「人と人 人とみどりが響きあい 笑顔あふれる 東村山」の実現を目指し、基本目標「みんなで支え助け合う、健やかにいきいきと暮らせるまち」を推進していくものになります。
市といたしましては、計画の策定にあたり、市民の皆さまの意向を十分に聴取するため、今年度「地域福祉に関わる市民意向調査」を実施し、現在、集計・分析作業中であります。その後、本年4月以降、「保健福祉協議会」やその「個別計画推進部会」などの協力を得て、地域福祉計画全体の見直しと策定作業に取り組んでまいりたいと考えております。

○ 続いて、一般廃棄物処理基本計画の策定について申し上げます。
平成23年度から第4期として、向こう10年の計画期間となりますが、「東村山市のごみ処理に関する意見交換会」のご意見を参考としつつ、22年度におきまして、東村山市廃棄物減量等推進審議会で5回にわたるご審議をいただき、 11月下旬に答申をいただきました。
その後、パブリックコメントを行い、「低炭素や効率性に配慮した循環型社会の実現」を基本理念として、5つの基本方針、29の施策を掲げ、特に集団資源回収の推進や新たな施設整備の検討など9つを重点施策とする計画をまとめたところであります。
計画の推進にあたりましては、数値目標の達成状況を毎年確認し、進捗状況の把握と管理を行い、必要に応じてその結果を公開してまいりたいと考えております。市民、事業者、行政が、それぞれ自らの役割を十分に認識して、積極的な推進を心がけてまいる所存であります。

○ 続いて、東村山市みどりの基本計画について申し上げます。
平成11年3月に策定いたしました「東村山市みどりの基本計画」におきましては、里山の保全をメインテーマと掲げ、せせらぎの道多摩湖緑地を里山の風景が残る緑地として整備するとともに、自然の回復と動植物の保護を進めてまいりました。
平成11年度にせせらぎの道の整備に着手してから現在までに約1.0haの用地取得がすでに終わっており、現在は残りの約0.5haの取得の準備を進めております。
北山公園用地の取得とせせらぎの郷多摩湖緑地の取得を優先的に進めるべく、今年度も土地開発公社で先行取得した北山公園用地を公社から買い戻す手続きをしております。
また、今後の多摩湖緑地のあり方を考えますと、用地取得を含めた整備事業はみどり行政の上では重要な事項であり、「みどりの基本計画」だけでなく、東村山市としてさらにその意思を明確に表すため、都市計画緑地として都市計画に位置付けるべく現在その作業に着手しております。
都市計画審議会への説明、環境審議会での審議、住民説明会を経て年度内には都市計画決定したいと考えております。

○ 以上、平成23年度の市政運営の方針と当面する諸課題につきまして、申し上げてまいりましたが、おわりに、本定例会にご提案申し上げます議案につきましては、先に申し上げました各会計の新年度予算(案)をはじめ、平成22年度補正予算(案)のほか条例(案)等、全19件をご送付申し上げました。
いずれの議案につきましても、ご提案の際にご説明申し上げますので、ご了解賜りますようお願い申し上げます。

○ 本年4月からは新たな総合計画、新たな行財政改革がスタートいたします。このことは、いわば「まちのバージョンアップ」「自治体経営のバージョンアップ」を図るということであります。私も政治家として、また自治体経営者として更なる研鑚を積み、自身のバージョンアップを図るとともに、「みんなで創る みんなの東村山」を基本理念に、市民の 皆さまが安心と希望を持って暮らせる「笑顔あふれる東村山」の実現に向け渾身の努力をしていく決意であります。

あらためまして、議員各位、並びに、市民の皆さまの深いご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ、また、ご提案申し上げます諸案件のご審議を賜り、ご可決いただきますよう重ねてお願い申し上げ、私の発言を終わります。

※PDFはこちら東村山市ホームページ

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